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ゲン担いで気持ち鼓舞
いつも持ち歩いているジュラルミン製の「ホペイロバッグ」の中に、思い出の品がある。
93年にヴェルディ川崎が年間優勝した時に、カズさん(三浦知良、現横浜FC)がつけていたキャプテンマークだ。「マツ、お前が持っていて、引退するときに返してくれ」。イタリアに移籍する時、そう言って僕に渡していった。
キャプテンマークを準備するのは自分の仕事だ。名古屋では5色ほど用意している。楢崎正剛の腕に僕が巻いて、ピッチに送り出す。キャプテンマークは前半負けていたら後半は取り換えたり、勝てば次の試合も使い続けたりする。負ければ、塩で清めてしばらく使わない。
大切なのは、選手が気持ちよく試合に入れるか。様々な物や環境に目を向け、できるだけの準備をして工夫を凝らす。
8月15日のアウェーの新潟戦では選手のロッカーの並び順をいつもと逆にしてみた。「あれっ、何で」と選手たちは気づいた。この試合は負けたが、「流れを変えよう」と改めて闘志を強くして臨んでいた。実はリーグ戦で勝利のないスタジアムだったのだ。
連敗中など、「ここぞ」という時にロッカーの配置やロッカー内のスパイクやユニホームの位置を変える。「大事な一戦」という選手へのメッセージでもある。一方、最近は選手がリラックスできるように、様々な種類のガムやアメも用意している。
ブラジルでプレーして、ホペイロの役割をよく知るカズさんには、スパイクを磨いていると「魂を込めているか」とよく声をかけられた。ホペイロもクラブのために戦うことを学んだ。実際は、ゲン担ぎなど自分にできることはそう多くはないのかもしれない。それでも、勝利に貢献するために何が出来るか。そんなアイテムを日々探している。
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